例え耳を塞ごうとも、兎の声は真実を以って浸食するばかり

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全国を震え上がらせた現代の切り裂きジャック事件。ZIGZAG作の悪夢型殺人ビジュアルノベルゲーム「暗い日曜日-Sombre Dimanche-」にて、その恐怖の物語はある終末を迎えます。今作「暗い日曜日-Unbirth-」は、その後を描いた物語です。ゲームの数あるバッドエンドの中の1つ、その後のお話なので、兎とは何だったのか、弟の存在していた理由とは?などネタばれを多分に含みます。ゲームでは謎を謎としたままプレイする方が、より一層楽しめます。ですのでまずは「暗い日曜日-Sombre Dimanche-」の物語を先にご覧頂くことをおすすめします。【作品形式:小説】

消え失せて尚、声だけで語りかける不気味な兎

雨が続く鬱々とした6月。「切り裂きジャック」は無数の人を切り刻みました。そして成瀬真人の前に現れる、悪夢そのもののような兎。出口を求めて幾度も曖昧な現在と過去を彷徨う真人が行き着いた先にあったものは何だったのか、ここまでがゲーム「暗い日曜日-Sombre Dimanche-」のお話です。「暗い日曜日-Unbirth-」は1つのバッドエンドの「その後」を追ったお話となっています。斧を手にして真人を襲ってくるはずの兎は、もうどこにもいません。
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暗い日曜日-Unbirth-」を読む事で、真人にとって弟とはどんな存在であるのか、弟の手にある血まみれのナイフは何を意味しているのか、ゲームをやっただけでは補完しにくい部分を文字で得ることが出来ます。どうして「切り裂きジャック」が各事件を発生したのか、その犯人の心理にも迫っています。本人が気付きにくい感情の変遷が細やかな表現で綴られています。既に本編を楽しんだ方がこのお話を読む時には、使用されていた効果音や音楽が各所で脳裏に甦ってくることもあるでしょう。そうなればより一層この「暗い日曜日」にのめり込めること請け合いです。

 

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タイトル 暗い日曜日-Unbirth-
ブランド ZIGZAG
価格(税込) 216円
発売日 2015年07月18日

 

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2015年08月11日 12時04分
カテゴリ: BL同人