SARKの繰り出す茶髪ゆるふわの年下×黒髪オールバックの年上のヤクザ×ヤクザシリーズ「遭難」！渋く切なく任侠の世界を描いたこの大人気シリーズから、過去のお話を纏めた本が登場です！過去にご紹介させて頂いたデザイアブルーで、その独特の世界観と人物設定から読者を魅惑の世界に引き込んだ雅仁と誠の物語。今回紹介する「「偏愛の鉄線」上・中・下一括セット」は、何と３冊セット総ページ数130Pの超読み応え版！今日の記事ではその中から上編の内容をちょこっとご紹介しますよ☆【作品形式：漫画】

心に闇を抱えた雅仁の過去。そして誠もまた、人には言えない闇を抱えていた。

両親の争う声、母親が殴られる姿。幼い雅仁の目に焼き付いて離れない光景は、少年の純粋な心に影を落とすのには十分過ぎる程でした。雅仁は何も悪くない。しかし彼は雅仁が居るから夫を別れる事が出来ないと言い放つ母の姿に、この現実を引き起こしているのは自分の所為だと自責の念に駆られます。雅仁はありったけのお金を持って家を出ました。行く宛も無い、けれどここから脱出すれば何かが変わるかもしれない。そんな思いで出てきた都会の公園。そこで一人の男の子と出会って……？

男の子と遊ぶ雅仁。しかしこの男の子の素性が関係する、ある出来事に巻き込まれ雅仁はヤクザの屋敷に連れて行かれる事に。そこで出会ったのが、若かりし頃の誠でした。行くアテの無い雅仁はここに置いてくれと懇願し、何とか置いてもらえる事になったのですが……？

一方、誠は誠で別なトラウマを抱えていました。少し仲が良い位のクラスメイト・鈴木。些細な事がきっかけに彼が上級生の虐めに遭っている事を知った誠。鈴木を助けようとするのですが、逆に上級生達に捕らえられてしまい……？

学校でのそんな日常からかはたまた別な理由からか、屋敷に居候する雅仁に素っ気なく接する誠。彼は虐めの餌食になり灰色の毎日を過ごしながらも、自らの被虐の性癖を自覚していました。そして一方で何故か自分を疎む彼から認められたいと思う雅仁。彼らの心に巣食う闇やお互いを意識し出した距離感のもどかしさを描き出した作品、それが上編です。

そして中編、下編は誠のトラウマを契機として身体を重ねるようになった二人がもどかしく想いを交錯させながら、誠が一人暮らしの為に家を出たり、三年後に別々の生活を送る中でも惹かれ合ったり、運命に翻弄されながら今のお話へと続いてゆく様子を描きます。雅仁と誠のシリアスな中にも求めあう想いの甘さ、たっぷりご堪能下さい！