堅物課長の山口と若く不誠実な男・阿部カズキ。ひょんな事からそういう関係になった2人は、恋人と言うには冷め過ぎ、援交というにはぬるい不思議な距離感で互いを認識していた。タダ飯が食べられるから一緒にいるだけ。カズキが側にいる理由をそう割りきって認識していた山口は、ある日のカズキの言葉にはたと戸惑う。「着信もないくせに。」それは山口が思ってもみなかった一言だった。
「着信も無いくせに」カズキの思いがけない一言に、そういえば自分の携帯から電話をかけた事は無かったと気付く山口。同時にひどく戸惑う。カズキの行動の意図が、山口にはわからない。それは山口が元々人の感情を汲み取るのが下手なのかもしれないし、対人関係で何かトラウマを抱えているのかもしれない。そしてそれは山口自身でさえ、よくわからない感情なのだった。
カズキの常日頃の不誠実な態度からしても、山口にはその意味を理解する事は出来なかった。しかしこれまでの様子と一変して、山口に誠実な姿勢を見せ始めるカズキ。カズキの変化は、山口にも影響を与えてきた。お互いが歩み寄る姿勢を持つことで、少しずつお互いを理解しはじめる2人。しかしその歩み寄りは臆病なにじり足。そんなある日、カズキは酔った勢いで見知らぬ男と一夜を共にしてしまう。朝になり事の重大さに気付いたカズキは罪悪感に押し潰され、山口にその事実を白状してしまった。無言でカズキを殴る山口。戸惑うカズキ。しかし、この最悪の修羅場とも言える状況が、2人の距離をぐっと近づける思いもよらぬ出来事となって……?
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タイトル | 見つめていたい |
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ブランド | 芳文社 |
価格(税込) | 630円 |
発売日 | 2014年1月6日 |